
カードローンの借り換えとは、既にどこかから借り入れているカードローンの負債を、他の銀行や会社から借り直すことを指します。
たとえば、ある会社から100万円借りている場合、他の会社で別のカードローンを契約して、前の会社の負債を全額返済し、今度は新しい会社のほうでローンの返済を行なうということです。
「どうせ同じ額をまた借りるのに、何のメリットがあるの?」と思われるかもしれませんが、多くの人は「より金利の低いところでローンを組み直す」ことを目的に、借り換えを行ないます。
カードローンの借り換えのメリットや、借り換え先の選び方などについてもご紹介していきましょう。
カードローンを借り換えるメリットとは?
ローンの借り換えは、住宅ローンなどでよく行なわれているものです。
たとえば、最初にローンを組んだ銀行の金利が高かった場合、より金利の安い銀行でローンを組み直すことで、支払う利息の総額を減らすことができます。
特に家のような大きな買い物の場合、利息もかなりの額になりますので、より金利の低いところで借り換えたほうが断然お得なのです。
同じように、個人向けのカードローンも借り換えることができます。カードローンを借り換える主なメリットは、以下の通りです。
利息を減らせる!
住宅ローンと同様、カードローンもより金利の低い銀行や会社で借り換えることで、利息の総額を減らすことができます。特に多額の借入がある場合、利息を大幅に減らせる可能性があります。
複数のカードローンを一本化できる!
カードローンの借り換えでは、「おまとめ」といって、数社からの借入を一社にまとめられるサービスもよく行なわれています。
複数の会社から借り入れている場合、毎月それぞれに返済しなければいけませんが、一本にまとめることで管理しやすくなるのです。
カードローンの借り換え・おまとめの代表的な商品
実際にカードローンの借り換えやおまとめに対応している会社や銀行を、いくつかご紹介しましょう。
消費者金融
会社名 | 商品名 | 貸付金額 | 金利 | 追加の借入 |
---|---|---|---|---|
アコム | 貸金業法に基づく借り換え専用ローン | 300万円まで | 7.7%~18.0% | × |
プロミス | 貸金業法に基づくおまとめローン | 300万円まで | 6.3%~17.8% | × |
アイフル | おまとめMAX | 500万円まで | 12.0%~15.0% | × |
かりかえMAX | 500万円まで | 12.0%~17.5% | × |
消費者金融の大手3社では、いずれも借り換えやおまとめに対応した商品を用意しています。
通常、消費者金融では「総量規制」のルールによって、年収の3分の1までの借入しかできませんが、おまとめや借り換えを専門としたローンは、例外的に総量規制の対象外となる点が最大の特徴です。
つまり、年収の3分の1を超える金額でも借り換えができます。
金利は、通常のローンとあまり変わらない点がデメリットではありますが、アイフルの「おまとめMAX」は上限金利が低く設定されているため(通常の金利は4.5%~18.0%)、借り換えたい額によっては利息をかなり減らせる可能性があります。
いずれのローンも、利用できるのは他社からの借入がある人だけです。また、計画的に負債を返済していくための商品ですので、返済オンリーで、新たに借り入れることはできません。
銀行
銀行名 | 商品名 | 貸付金額 | 金利 | 追加の借入 |
---|---|---|---|---|
オリックス銀行 | VIPフリーローン | 100万円~800万円 | 3.0%~14.5% | ○ |
東京スター銀行 | スターワンバンクローン(おまとめローン) | 30万円~1,000万円 | 5.8%~14.8% | ○ |
スターワンバンクローン(かりかえローン) | 30万円~1,000万円 | 7.8%~9.8% | ○ | |
イオン銀行 | おまとめローン
(イオンアシストプラン) |
30万円~700万円 | 3.8%~13.5% | × |
三井住友銀行 | 三井住友銀行カードローン | 800万円まで | 4.0~14.5% | ○ |
一部の銀行も、おまとめや借り換えを専門としたローンを用意しています。いずれも銀行ならではの低金利と、高額融資が可能なところが魅力です。特に、多額の借金をまとめる場合、金額によっては最低金利が適用されることもあります。
また銀行の場合、限度額の範囲内であれば追加の借入ができる商品が多くみられます。ただし、イオン銀行のように「返済のみ」としている商品もありますので、あらかじめ確認しておくようにしましょう。
ちなみに、銀行では特に借り換えやおまとめに限らなくても、通常のカードローンで「借り換え・おまとめOK」としているところが多いのも特徴です。
上記以外の銀行でも、借り換えやおまとめができるカードローンは複数ありますので、気になる銀行があればぜひ相談してみることをおすすめします。
カードローンの借り換え先を選ぶためのポイント
カードローンの借り換え先は、どこを選んでもいいというわけではありません。最大の目的は「利息の総額を減らすこと」ですから、逆に利息が大きくなってしまうところを選んでは、無意味どころか逆効果になってしまいます。
一般的には、「まずは銀行、それでダメなら消費者金融の借り換え専用ローン」という順番で検討するのがおすすめです。
銀行のほうが金利も低いですし、融資の限度額も高く設定されています。特に最低金利で比較しますと、消費者金融よりも銀行のほうが圧倒的に低いため、数百万単位での借り換えを希望する場合は、銀行のほうが断然お得です。
ただし、銀行はその分、審査がやや厳しくなりますので、年収や勤務状況などによっては利用できないこともあります。その場合は、消費者金融の借り換え・おまとめ専用のローンを検討するようにしましょう。
また、どんな借り換え先を選ぶにしても気を付けたいのは、「今よりも確実に利息が減るかどうか」ということです。
特に複数の会社や銀行から借り入れている場合、計算が複雑になるので見きわめが難しいのですが、まず各社の利息の総額を計算し、それを借入額の合計で割った「加重平均金利」というものを求めてみましょう。
加重平均金利の算出のしかた
たとえば、現在3社から以下のような借入をしていると仮定します。
借入先 | 借入額 | 金利 |
---|---|---|
A社 | 10万円 | 18% |
B社 | 20万円 | 17% |
C社 | 50万円 | 15% |
3社の利息の総額は、以下のように求められます。
(10万円×18%)+(20万円×17%)+(50万円×15%)=127,000
これを、3社からの借入合計額で割ったものが、加重平均金利です。
127,000÷(10万円+20万円+50万円)=0.15875(約15.9%)
ですから、借り換え先を選ぶ際には、利息が15.9%より低いところを選ばないと意味がない、ということになります。
各銀行や貸金業者でも、現在の借入状況を正直に話せば、借り換えによってどれだけ利息を減らせるかを計算してもらえます。借り換えを考えている方は、まずは気になる銀行や会社に相談することから始めましょう。